各国の実質GDP変化とコロナ対策厳格度を比較・検証 ~ 対策はもう少し強い方がいいのかもしれない
コロナ対応の厳格度指数の平均と、コロナ前と比較した実質GDPの変化を比較してみました。
(以下、見やすさのため、GDP => GDP と表記します)
各国のGDPの変化率については、以下のサイトを参照しています
実質国内総生産(前期比、季節調整済)
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/covid-19/f/f61.html#f61-1
上記ソースにあった、以下の9カ国について比較しました。
- 中国
- 韓国
- 日本
- アメリカ
- フランス
- ドイツ
- イタリア
- イギリス
- スペイン
※ ここでの並びは、アジア、アメリカ、ヨーロッパの順に、コロナ後のGDP変化率の大きい順の並びです。以降の解説でも、上記の順番を基本にしています。
目次
各国のコロナ前から見たGDPの変化
各国のコロナ後のGDPの変化は以下の通り
2020Q1-2021Q3の積により導出しています
コロナ前(2019Q4)から見た、2021Q3時点の成長率と言えるかと思います
厳格度指数の平均
コロナ対応の厳格度指数(Stringency Index)については以下のページでわかりやすく解説されています。
以下は各国の、2020/01/01-2022/02/06の期間のStringency Indexの平均値の比較グラフです。
※ ソースは以下より
国の並びは、GDP変化のグラフと同じです。
考察
以下、コロナ前からのGDPの変化グラフと、厳格度指数の平均グラフを比較から、対策強度と経済への影響について考察してみたいと思います。
以下、比較用にグラフを再掲します
対策が強いほど、経済回復傾向?
ぱっと見だと、どちらのグラフも右肩下がりの傾向が見えるような気がします。
地域ごとで、感染状況や文化など環境が近くなると思われるので、アジア、アメリカ、ヨーロッパに分けて見てみたいと思います。
イタリアを除くと、地域ごとに、厳格度とGDPの変化の傾向が一致しており、厳格度が高いほど経済回復に近いように見えます。
イタリアについては例外となりますが、経済への影響はコロナ対策だけとは限らないため、全体の傾向を見るとイタリアは別要因で経済の足が引っ張られており、基本的にはコロナ対策が強いほど経済回復傾向にあると見るのが自然かと思います
どの程度の対策強度がいいか
どの程度の対策強度がいいか、というのは何とも言えませんが、中国はデータが信用できるか微妙なのでパスとすると、フランスもしくはドイツが基準としていいのではないかと思います。
フランス以上の対策は、比較データがないので検証できませんが、グラフを見る限りフランスまでの対策は効果的かなという風に見えます。
慎重にという事なら、ドイツか、ドイツとフランスの間くらいであれば、より安全かと思います。
まとめ
あくまで、2020/01以降の状況を平均化して比較・考察したものです。
少なくともここまでの傾向としては、対策強度が強い国ほど経済回復傾向にあるように見えます。
コロナは変化が大きいため、現状に、どの程度適用できるかという疑問もあるので、対策強度の程度については慎重にした方がいいかもしれません。
ただ、現在の日本は特に対策が緩いと考えると、もう少し対策を強化した方が、経済的にもプラスなのでは?という気がします。
また、ここまで有効な対策を打っていると思われるフランス、ドイツをチェックするといい気がします。
緩和路線で経済回復が弱いイギリスについても反面教師として参考にするといいかもしれません。